ワインの重要な要素のひとつ「香り

ワインの楽しみといえば味だけじゃなくて、香りもとっても大事な要素!
プロのソムリエたちは何百種類もの香りを嗅ぎ分けているけれど、初心者さんにはちょっとハードル高そうだよね。

でも大丈夫。いくつかのポイントを押さえるだけで、ワインの香りから個性を感じることができるようになるよ!

香りを楽しむ基本のステップ

まずは、グラスのボウルに鼻がすっぽり入るくらい近づけて香りを感じてみよう。

はじめはグラスを動かさずに、ふわっと香りをとらえて。長くかぎすぎると香りに慣れてしまうから、2〜3秒くらいがベスト!

次に、グラスをくるくる回してみよう。これを「スワリング」って言うよ。
スワリングすると空気に触れて香りが開き、1回目では感じなかった香りが広がってくるんだ。

[piyo-memo]ワインの香りのことを「アロマ」と呼ぶよ。[/piyo-memo]

香りの種類とそこから読み取れるヒント

香りの感じ方は人それぞれだけど、ワインには代表的ないくつかの“香りグループ”があるよ。
それぞれの香りから、産地・熟成・ぶどうの個性なんかも想像できるのが面白いところなんだ。

香りの種類

フルーツ系の香り

【赤ワイン】

◎赤系果実(イチゴ・ラズベリーなど) → 涼しい地域で造られた、若々しくて軽やかなワイン。色も淡め。
◎黒系果実(ブルーベリー・カシスなど) → 温かい地域のぶどう。濃厚で熟した味わい、色も濃いめ。

【白ワイン】

◎柑橘系(レモン・ライムなど) → 爽やかで酸味のある白ワインに多い。若いワインの特徴。
◎トロピカル系(桃・マンゴーなど) → よく熟したぶどうや、温暖な産地のワインに多い。

植物系の香り

【赤ワイン】

◎青っぽい香り(ピーマン、草など) → 若いワイン。熟成が浅め。
◎枯葉・キノコ系の香り → 熟成が進んでいるワイン。特に瓶内熟成でよく出る。

【白ワイン】

◎ハーブ・ミントなどの清涼感ある香り → 冷涼な産地で育ったぶどうに多い。
◎バニラ・ココナッツの甘い香り → 樽を使って造られたワインから感じられるよ。

花系の香り

【赤ワイン】

◎バラ・すみれなどの香り → 華やかでエレガントな赤ワインに多い。
熟成するとドライフラワーのような香りになることも。

【白ワイン】

◎白い花(アカシア、白バラなど)→繊細な少し甘い香り。
◎はちみつのような香り
→ 貴腐ワインなどの甘口に多い香り。

[piyo-memo]貴腐ワインは、特殊な菌で果実がシワシワになった「貴腐ブドウ」から造られるよ。甘くて濃厚な極上ワイン![/piyo-memo]

動物系の香り

◎乳製品の香り(ヨーグルト、バターなど)→マロラクティック発酵(乳酸発酵)のワインに感じられる香り。

【赤ワイン】

◎なめし革・肉のような香り → 長期熟成の証。高級赤ワインに出てくる奥深い香り。

【白ワイン】

◎ムスク(じゃ香)や甘い香水のような香り → 甘口白ワインに多い。

ミネラル系の香り

【赤ワイン】

◎鉛筆の芯・インクのような香り → 土壌にミネラルが豊富な場所で育ったぶどうから生まれることがあるよ。少し酸っぱいような苦いような香り。

【白ワイン】

◎石油・潮の香り → 特にリースリングなどの品種でよく感じられる。ちょっとクセがある個性的な香り。

トースト系の香り

[piyo_question]”トースト系”の香りって?
その名の通り、パンのトーストのような香ばしい香りのことを指すよ。熟成や樽由来の香りの要素なんだ。[/piyo_question]

◎ナッツ・キャラメルなど → 樽熟成やマロラクティック発酵からくる香り。高級感のあるワインに多いよ。
◎トースト・コーヒー系 → 樽を焼いて熟成させた赤・白どちらにも出やすい香り。酸味が穏やかな白ワインからは、カラメルの甘い香りがすることもあるよ。

[piyo-memo]抜栓直後のコルクがカビ臭いときは「ブショネ」という劣化。体に害はないと言われているけれど、美味しく飲むことはできないよ。[/piyo-memo]

まとめ

香りはワインの“個性の宝庫”。
グラスを傾けて一呼吸するだけで、そのワインがどんなブドウで、どこで、どんなふうに造られたのか…ヒントがぎゅっと詰まってるんだ。

最初は「何かフルーツっぽいかも?」って感じるだけでもOK!
自分なりの香りの印象を見つけていくうちに、ワインを味わうのがどんどん楽しくなるよ!