スパークリングワインのラベルで、
- Brut(ブリュット)
- Extra Dry(エクストラ・ドライ)
- Sec(セック)
といった言葉を見たことはありませんか?
これらは、スパークリングワインの甘辛度を表す表示です。
甘辛度を分ける基準になるのが、ワインの中にどれくらい糖分が含まれているかを示す「残糖量」です。
この記事では、
- ワインの「辛口」「甘口」とは何か
- 残糖量とは何か
- スパークリングワインの残糖量はどう決まるのか
- BrutやSecなど7つの表示の違い
を、初心者さんにも分かりやすく解説します!
※BrutやSecなどの言葉の意味や覚え方は、こちらのnoteの記事で紹介しています。
ぜひ覗いてみてください!
そもそも、ワインの「辛口」「甘口」って何?

食べ物について「辛口」と聞くと、唐辛子のようなピリッとした辛さを思い浮かべるかもしれません。
しかし、ワインで使われる「辛口」は、辛い味がするという意味ではありません。
ワインの甘辛度は、簡単に言うと次のような違いです。
- 辛口:甘さをあまり感じないワイン
- 甘口:甘さをはっきり感じるワイン
つまり、ワインの「辛口」は、「甘くない」という意味に近い言葉です。
甘さのほとんどないものから、デザートのようにしっかり甘いものまで、段階的につながっているイメージです。
この甘辛度を判断する大きな手がかりになるのが、ワインに含まれている糖分の量、つまり残糖量です。
残糖量とは?
ワインの残糖量とは、完成したワインに含まれている糖分の量のことです。
ブドウ果汁には、ブドウ糖や果糖などの糖分が含まれています。
ワインを造るときは、酵母がこの糖分を取り込み、アルコールと二酸化炭素を生み出します。
これがアルコール発酵です。

発酵によって糖分が多く消費されるほど、ワインに残る糖分は少なくなります。
反対に、糖分が多く残れば、甘みを感じやすいワインになります。
残糖量は、一般的に「g/L(グラム・パー・リットル)」で表されます。
たとえば「12g/L」であれば、ワイン1Lあたりに約12gの糖分が含まれているという意味です。
スパークリングワインの残糖量はどう決まるの?
シャンパーニュをはじめ、瓶内二次発酵で造られるスパークリングワインでは、仕上げの工程で加える糖分の量によって、最終的な残糖量を調整することがあります。
この工程を「ドザージュ」といいます。

ドザージュには、単にワインを甘くするだけでなく、酸味とのバランスを調整したり、ワイン全体のスタイルを整えたりする役割があります。
このように、ドザージュで加える糖分の量によって残糖量が変わるため、残糖量はスパークリングワインの甘辛度やスタイルを知る一つの目安になるのです。
用語メモ:「瓶内二次発酵」
瓶内二次発酵とは、ワインを造った後に、ボトルの中でもう一度発酵させる方法です。
スパークリングワインの甘辛度を表す7つの表示
EUのスパークリングワインでは、糖分量に応じて次の7つの表示が使われています。
| 表示 | 残糖量 | 甘さの目安 |
|---|---|---|
| Brut Nature (ブリュット・ナチュール) | 3g/L未満 | 糖分が最も少なく、非常にキリッとしている |
| Extra Brut (エクストラ・ブリュット) | 0〜6g/L | かなり辛口 |
| Brut (ブリュット) | 12g/L未満 | 辛口 |
| Extra Dry (エクストラ・ドライ) | 12〜17g/L | Brutより少し甘みを感じやすい |
| Sec (セック) | 17〜32g/L | やや甘口 |
| Demi-Sec (ドゥミ・セック) | 32〜50g/L | 甘口 |
| Doux (ドゥー) | 50g/L超 | 最も甘口 |
Brut Natureは、「Pas Dosé(パ・ドゼ)」や「Dosage Zéro(ドザージュ・ゼロ)」と表記されることもあります。
その名の通り、ドザージュによる糖分添加がゼロという意味です。
残糖量が3g/L未満で、瓶内二次発酵後に糖分を加えていないものに使われます。
※国や産地によって、使われる言葉や基準が異なる場合があります。
残糖量が同じなら、甘さの感じ方も同じ?
残糖量は、ワインの甘辛度を知る大切な手がかりです。
ただし、残糖量だけで、飲んだときの甘さがすべて決まるわけではありません。
甘さ以外にも味わいの要素があるからです。
- 酸味の強さ
- 泡による爽やかさ
- 果実を思わせる香り
- 飲むときの温度

たとえば、残糖量が同じでも、酸味がしっかりしたワインは甘みが目立ちにくく、すっきりと感じられることがあります。
反対に、熟した果実を思わせる香りが豊かなワインは、実際の残糖量以上に甘い印象を受けることもあります。
「Brutだから、どれを飲んでも同じくらい辛口」というわけではないのです。
残糖量の表示は、あくまで自分の好みに近いワインを探すための目安とするのが◎。
まとめ
残糖量とは、完成したワインに含まれている糖分の量のことです。
スパークリングワインでは、残糖量に応じてBrut NatureからDouxまで、甘辛度を表す表示が使われています。
覚えておきたいポイントは、次の3つです。
ポイントまとめ
- BrutやSecなどの表示は残糖量を表す言葉
- 残糖量が少ないほど辛口、多いほど甘口の目安になる
- 実際の甘さの感じ方は、酸味や香りなどによっても変わる
これまでラベルの「Brut」や「Sec」が呪文のように見えていた人も、残糖量との関係が分かれば、ワイン選びのヒントとして使えるようになります。
次にスパークリングワインを選ぶときは、ぜひラベルの甘辛度表示にも注目してみてください!