「貴腐ワイン」を知っていますか?
「貴」という字が入っていて、なんだか高級そうな雰囲気が漂うワイン。
貴腐ワインは、濃厚な甘みと豊かな香りを持つ甘口ワインです。
そして、この貴腐ワインに使われるブドウは「貴腐ブドウ」と呼ばれ、カビの一種がついているんです。
「カビが生えたブドウからワインを造って大丈夫なの?」
と思ってしまいますよね。
貴腐ワインはどんなワインなのか、なぜカビの一種がついたブドウから特別なワインが生まれるのか、一緒に見ていきましょう!
貴腐ワインとは?
貴腐ワインとは、「貴腐」と呼ばれる状態になったブドウを使って造られる甘口ワインです。
貴腐ブドウは、茶色くしわしわになった干しブドウのような見た目をしています。

このしわしわのブドウには、甘く濃厚なワインを造るための成分がぎゅっと凝縮しています。
貴腐ブドウには「ボトリティス・シネレア菌」がついている
貴腐ブドウに関わっているのが、
Botrytis cinerea(ボトリティス・シネレア)
という菌です。
実はこの菌、ブドウにとっていつでもありがたい存在というわけではありません。
この菌は、ブドウの病気である灰色かび病の原因にもなる菌です。
灰色かび病は、ブドウが変色したり、柔らかくなったり、灰色のカビに覆われたりする病気です。
実だけでなく、花や葉、枝などにも感染します。

つまり、貴腐ワインを生み出す菌と、ブドウに病気を起こす菌は同じものなんです。
なぜ、「貴腐」と「灰色かび病」に分かれる?
ポイントになるのが、ブドウの状態と天候です。
貴腐が起こるためには、
- 十分に成熟した健全なブドウがある
- 朝は霧や露などで湿度が高くなる
- 日中は暖かく乾燥する
といった条件が必要になります。
朝の湿気によってボトリティス・シネレア菌が活動
↓
日中の乾燥によってブドウから少しずつ水分が失われる
このような状態が繰り返されることで、ブドウは貴腐していきます。

一方で、雨が続くなど湿った状態が長く続いてしまうと、ブドウが腐敗してしまうことがあります。
つまり、ボトリティス・シネレア菌をブドウ畑にばら撒けば、貴腐ブドウができるわけではないんですね!笑
いくつもの条件がうまく揃って初めて貴腐が起こります。
しわしわになると、どうして甘くなる?
貴腐が進んだブドウは、水分が抜けてどんどんしわしわになっていきます。
ブドウから水分が減る一方で、もともとブドウの中に含まれていた糖分や酸、香りや味わいに関わる成分は残ります。
その結果、ブドウの成分がぎゅっと凝縮した状態になるんです。

そこから造られる貴腐ワインも、濃厚な甘みと豊かな香りを持つワインになります。
はちみつやドライフルーツを思わせるような香りなど、普通のブドウから造るワインとはまた違った独特の香りが生まれることも、貴腐ワインの魅力です。

ピヨメモ 「貴腐ワインが高価な理由」
貴腐ブドウは、水分が抜けてしまうため、ひと粒から取れる果汁も少なくなります。
また、すべてのブドウが同じようにきれいに貴腐するとは限らず、状態を見ながら収穫する手間もかかります。
さらに、その年の天候によっては、十分な貴腐ブドウができないこともあります。
少ない果汁、手間のかかる収穫、そして天候にも左右される希少性。
これらが貴腐ワインが高価になる理由なのです。
まとめ
貴腐ワインは、病気と紙一重の環境で生まれる特別なブドウから造られる甘口ワインということがわかりました!
ポイントまとめ
- 貴腐に関わるのは、ボトリティス・シネレア菌
- この菌は、条件によっては灰色かび病の原因にもなる
- 貴腐したブドウは水分が抜け、糖分や酸、香りや味わいの成分が凝縮する
「カビがついたブドウから甘いワインができる」と聞くと不思議ですが、その裏には、ブドウの成熟と天候、そして菌の働きがうまく重なるという特別な条件があります。
貴腐ワインを見かけたら、しわしわになった貴腐ブドウのことを思い出してみてくださいね!
こちらのnoteにも貴腐ワインについて書いていますのでぜひご覧ください!